ガラクタのカタログ

トラムリンク…ロンドン南部の路面電車

あまりよく知られていませんが、実はロンドンにも路面電車が走っています。当地の路面電車は1952年に一旦全廃されましたが、南部クロイドンでは国鉄の廃線跡を活用するなどして2000年に開業しました。もっとも、地下鉄との接続駅は西端のウィンブルドンのみであり、観光客が乗るような路線ではありません。

料金は基本的にバスと同じで均一運賃となっており、トラベルカードも使用可能。例によって電車内ではしばしば検札が行なわれるので、うっかりタッチしそびれると悲劇です。

ここで活躍するのはCR4000形とCroydon Variobahnの2形式です。




CR4000形

初代車両はCR4000形…なのに、車両番号が2000番台というのは少々奇妙に見えます。これは、ケルンのK4000形とほぼ同一仕様であることと関係していそうです。トラムリンクを走る車両のうち約3分の2がこのCR4000形となっています。




併用軌道を行くCR4000形。トラムリンクは大半が専用軌道となっており、併用軌道なのはクロイドン中心部とその周辺に限られます。他の自動車と一緒に道路を走るためさすがに速度は控えめですが、専用軌道に入れば最高速度80km/hとそこそこのスピードで走ります。



こちらは開業間もない頃のEast Croydon駅で撮影した1枚。小学生が当時のデジカメを使って撮ったものですから、質の低さはご容赦ください。こうして見ると、当時は塗装だけでなく前面灯火類の形状も違ったことが分かります。なお、手前の2551号車は2016年の脱線転覆事故により長期休車となっています。




Croydon Variobahn

2011-16年に製造された2代目車両はCroydon Variobahn。でも車両番号はCR4000形の続番となっています。編成全体で見るとVariobahnの方が若干長くなっていますが、両形式とも共通運用となっています。なお、乗ってしまえば両者の違いはほとんど分かりません。



Custom House

全12編成が在籍する中で、1本だけクロイドンをアピールするラッピングが施されているのですが、残念ながら私が行った時には姿を現しませんでした。ちなみに、土地柄あまり長居したくない場所も多く、趣味的にはさほど面白い存在でも無いので、個人的にはクロイドンの路面電車を撮る暇があったら他の物にカメラを向けた方が良いかと思います。





ちなみに、それでもなお撮りたい!と考える方のために、幾つかの撮影地をこちらに載せてありますので、そんな物好きの方は是非合わせてご覧ください。




(2021.6.18作成)