ガラクタのカタログ

貨物列車のチラ見

イギリスでも貨物列車は全国各地で運行されており、英仏海峡を経由してフランスなど大陸を発着する列車も少なくありません。貨車は大体がコンテナかタンク車で、日本の貨物列車と概ね雰囲気が同じだと言って差し支えないでしょう。ただ、ロンドン近郊の場合は電化方式が混在していたり、非電化路線も多く残っていることから、大型のディーゼル機関車による牽引がほとんどで、そこが東京近郊と異なる部分と言えるでしょう。運行会社はColas Rail、DB Cargo UK、Direct Rail Services、Freightliner、GB Railfreightあたりが主流で、その多くは外資系です。これらの会社が保有する機関車は、旅客列車を牽引することもありますが、この記事では取り上げません。



Class 59

DB Rail Cargo社の真っ赤な塗装が似合うクラス59。1985-95年に15両だけ製造された、かなり少数派のディーゼル機関車です。国鉄民営化前の時代において、イギリスで初めて私企業が所有した本線用機関車だったそうな。写真は最終増備車で、後述のクラス66とはほとんど見分けがつきません。



Class 66

1998-2015年にかけて650両以上が製造されたクラス66。イギリス用だけでもその数は480に及び、国内で最も頻繁に遭遇するディーゼル機関車と言っても過言ではありません。こちらはMarylebone駅で出発を待つ落ち葉掃き列車で、Network Rail社のタンク車の両端にFreightlinerのクラス66が繋がっておりました。旅客列車ではないので、貨物列車ということにしておきます。



Class 66

こちらもFreightlinerのクラス66。製造期間が長かったこともあり、時期によって前照灯など外観に違いが見受けられます。同形はフランスやドイツはもちろん、ノルウェーやポーランドなどの北・東欧、更にはエジプトでも運用されています。写真はヒースロー空港へジェット燃料を運んだ帰りの列車らしく、落書きの一切ないピカピカのタンク車はこの国ではちょっと貴重です。



Class 86

イギリスでは珍しい電気機関車牽引の貨物列車。1965-66年に製造されたクラス86の重連で、これまたFreightliner車。既にイベント用を除いて旅客運用からは撤退して久しく、非常に古い機関車ということもあって注目されていた…と言いたいところでしたが、全然撮っている人は見かけませんでしたね。クラス86は2021年に定期運用を終了しました。



Class 73

GB Raifreightのクラス73。1962-67年に製造され、ディーゼル機関車ながら第三軌条方式の電化区間では電気機関車として走行することも出来ます。写真は、ロンドン地下鉄のイベントで使用された100年以上前の木造客車を保存鉄道へ返却する、日本で言うところの甲種輸送でした。荷は軽いくせに重連牽引なのは、客車にブレーキが付いておらず、制動力を確保するためではないかと思います。



車運車

貨物列車の積み荷に関心を持つことはまずないのですが、ロンドン北部で車運車を偶然目にした時は少し驚きました。自動車を貨車に載せた列車は、日本では2000年頃までに全廃されており、私も幼少期に根岸線で新車輸送を一度見た記憶が朧げにあるだけ。ここには写っていませんが、別の貨車にはSNCFと書かれていたことから、フランスに行く列車のようでした。



私は旅客列車ばかり撮っていたので、貨物列車はほとんどが何かのついでに撮っただけでした。日本でもそうですが、機関車の運用を掴みにくく、旅客列車に比べると情報が少ないのが原因かもしれません。ちなみに地方のローカル線ではまたユニークな貨物列車が走っているらしく、私も興味が無いわけではありませんが、それだけのために遠路はるばる出かける気にはなれないですね…(笑)



(2022.6.17作成)