ガラクタのカタログ

ジョージ5世 (1910-1936)

概要

ジョージ5世のポストで奇妙なのは、紋章が単にGRと書いてあるのみで、「5」の要素が入っていないこと。バッジや判子ではローマ数字が入っているのですが、郵便の世界では何故か欠落しています。

この時代は大英帝国の全盛期を過ぎてはいたものの、その覇権は未だ健在であり、郵便制度においてもいくつかの新しい試みがなされた時期でもありました。ちなみに、GRと書かれた郵便ポストは全体の15%と結構な割合を占めています。


ギャラリー

郵便ポスト

(3-1) これもロンドンを始め至る所で見かけますが、GRと書かれただけのポストは、正直に言って魅力を感じません。他の紋章が意匠を凝らしたデザインになっているのに対して、ジョージ5世だけはあまりにシンプル過ぎるのです。



郵便ポスト

(3-2) ジョージ5世のものに限りませんが、ピラーボックスは地面に掘った穴に建てられており、全長は意外に長いことが分かります。地中に埋まっている部分は大まかに見積もって50cm余りといったところでしょうか。



郵便ポスト

(3-3) この手のウォールポストは商業地の一角や、住宅地の中にある誰かの家の壁に設置されていることもあり、気を付けないと見落としてしまうことも多いです。葉書片手にうろうろしていたら、実は目の前だった…ということも。



郵便ポスト

(3-4) エドワード7世のところでも紹介しましたが、この一風変わったデザインは「独立型ウォールボックス」とでも呼ぶべきもので、帽子のような三角形の上部がかわいらしいですね。博物館に展示されているものはチラホラありますが、私が現役で見たのはこれが唯一でした。



郵便ポスト

(3-5) 正面から見るといつもの投函口が2つあるタイプなのですが、この時代は切手の自動販売機と一体化したものも試作されました。故障が相次いだとことから早々に取り扱いは中止されましたが、現在もごく少数が残っているそうです。



郵便ポスト

(3-6) この時代で特筆すべきは航空便用のポストがあったこと。1930年に取り扱いが開始され、青く塗装された特別のピラーボックスが設置されました。しかしこれは短命に終わり、1937年までにサービスは終了、青いポストは翌年姿を消しました。



郵便ポスト

(3-7) 青いポストは赤く塗り直され、通常郵便物向けに転用されましたが、一部はモニュメントとして保存されています。通常のポストが隣にあり、青い方は使用できないよう投函口に鉄板が貼り付けられています。