ガラクタのカタログ

エリザベス2世 (1952-2022)

概要

英国史上最長の在位期間を誇ったエリザベス2世。戦後の復興や再開発等で膨大な数の郵便ポストが整備されたことから、全国のポストのうち実に半分以上がエリザベス2世の紋章を有します。ポストの形状も多種多様で、伝統的なピラーボックスから金属製の四角いもの、果てはプラスチック製のものなど、最もバリエーションが豊富です。

なお、歴史問題のあるスコットランドには存在せず、代わりにデザインを変えたものが設置されています。


ギャラリー

郵便ポスト

(6-1) エリザベス2世の紋章はありふれているので、通常のピラーボックスでは面白くないと思いきや、一応識別点はあります。最も分かりやすいのが、Royal Mailと書かれていること。1994年頃より前に設置されたものはPost Officeと書かれているので、ここからも年代がある程度絞れるのです。



郵便ポスト

(6-2) これは2017年に設置されたと思われるかなり新しい1本。遠目にはいつものポストに見えますが、近寄ると随所に経費削減の跡が見受けられます。特に紋章とRoyal Mailの文字列は明らかに安物で、遠からず破壊行為か潮風によって剥がれ落ちることでしょう。



郵便ポスト

(6-3) ロンドンを始め、主要都市で最もよく見かける形態がこちら。このポストは未だに紋章が金色に塗られていますが、多くは塗装の手間を省くために赤一色となっています。ちなみにこいつは坂にあるせいか、やけに浅く設置されています(投函口が高くてちょっと苦しい)。



郵便ポスト

(6-4) 見事な角形ポスト。ロンドンではシティ近辺を中心に見かける印象ですが、2つを合体させたものはあまり見ない気がします。ちなみに、この形式は1974年から設置されています(意外と古いかも)。



郵便ポスト

(6-5) 都市部でチラホラ見かける、Franked Mail専用ポスト。日本で言えば料金後納郵便に相当しますが、それだけのためにポストを設置するだけの需要が現在もあるとは意外です。写真のものはかなり汚れていますが、1996年登場の比較的新しい形式です。



郵便ポスト

(6-6) 空港や駅構内で見かけるタイプで、グラスファイバー製です。スーパーマーケットの中に設置されている例もあるようですね。私は最初見た時に本物だと信じられず、手紙を投函出来ませんでした(笑)



郵便ポスト

(6-7) 「将来のピラーボックス」と銘打って1980年に登場したタイプは、見た目がなかなかにモダン。収集口の構造も工夫されたそうですが、後年蝶番の不具合が多発したため2001年に製造を打ち切られました。現在は郊外を中心に時々見かける印象です。



郵便ポスト

(6-8) 田舎でよく目にするのはLamp Letter Boxと呼ばれる小型のポスト。但し第一号が設置されたのは、意外にもロンドンの住宅街(Finchley)でした。ヴィクトリア時代には設置が始まったものの、急速に普及したのはやはりエリザベス2世の即位後でした。



郵便ポスト

(6-9) 1990年代に入ると、次世代のランプ型ポストの研究が進められ、製造コストの安い試作型が幾つか造られました。こちらは1995年に試作されたものですが、耐久性に難があり量産には至りませんでした。一応現役のものがごく少数あるようです。



郵便ポスト

(6-10) 1999年に試作されたランプ型ポスト。地方における21世紀のポストとして登場当時はデザインが注目されたものの、こちらも量産には至りませんでした。21世紀の量産型ポストは、2010年代に登場するステンレス製の角形まで待つことになります。