ガラクタのカタログ

トップナンバー特集9 京急電鉄

どういうわけか昔から高い人気を誇る横浜の私鉄。最近は羽田空港輸送がメインで、三浦半島方面は人口激減により青息吐息。大手私鉄でも特に劣悪な労働条件による人員不足により年々スピードダウンが目立つなど、「速い」「ダイヤ乱れからの回復が早い」といったかつての姿は見る影もなくなっているが、趣味的にはまだまだ楽しめる存在。


600形

車番:デハ601-1
撮影地:金沢文庫~金沢八景
撮影日:2022.4.22
記事作成:2025.7.6


それまでの京浜急行の車両とは大きく異なる外観で、今なお量産が続く新1000形にもそのデザインが引き継がれている。1994年の登場当初は、内装も他に類を見ない新機軸が取り入れられたが、信頼性やラッシュ時の輸送力に難があり、結局はその辺の通勤電車と大差ないものになってしまった。今でも古さを感じないが、実はもう30歳を超えている。



800形

車番:デハ801-1
撮影地:久里浜工場
撮影日:2011.5.5
記事作成:2025.7.6


おでこの前照灯1つに片開きドアという、伝統的な京急スタイルを守った最後の車両。片側4扉という通勤客輸送に特化した仕様や、扇風機を搭載した点も京急最後であった。6両編成だったが、最初期の5本は3+3両編成を組んでおり、その名残が廃車時まで残っていた。この編成に限っては、試作車らしい特徴が他にも随所に見られたものである。



新1000形

車番:デハ1001
撮影地:金沢八景
撮影日:2017.9.21
記事作成:2025.7.6


京急の最大勢力。この形式だけで京急全体の車両数の過半を占めるが、実際には製造時期によって外観から足回りまで大きく異なっており、それぞれ実質的には別形式である。初期車は600形に少し似ており、新1000形の中では少数派。写真はリニューアル後の姿で、前面表示にある「エアポート急行」も「新逗子」も今や思い出の彼方。



1500形

車番:デハ1501
撮影地:金沢文庫~金沢八景
撮影日:2017.2.8
記事作成:2025.7.6


今や現役最古参形式で、赤地に細い白帯という昔ながらの塗装を有する最後の車両。1985年に登場し、外観はいかにもこの時代らしいスタイルで、これといった特徴はない。4・6・8両編成があり、地下鉄直通から支線まで幅広く活躍してきたが、2000年代後半以降の4両編成は大師線運用が大半の少数派だった。その4両編成は2023年に一足早く全廃。



2000形

車番:デハ2011
撮影地:屏風浦
撮影日:2016.2.19
記事作成:2025.7.6


元は片側2扉の快速特急用車両。1982年の登場から2000年までは、京急の花形列車であった。2100形の登場により3ドア化改造を受け通勤車両に格下げされ、しばらくはすっかり存在感が薄れたものの、2010年のエアポート急行新設によりカムバック。2013年にはこの編成が登場当初の塗装に戻り、2018年の全廃まで高い人気を誇った。



車番:デハ2011
撮影地:杉田
撮影日:2012.4.15
記事作成:2025.7.6


こちらは通勤車両に格下げされた後、リバイバル塗装になる前の姿。3ドア化改造後の2000形は不遇な時代が続き、4両編成は増結車や普通列車に使用された一方で、8両編成は平日の朝夕に走るのみだった。2010年代以降は立場が逆転し、8両編成がエアポート急行に抜擢される一方、4両編成は余剰となり早々に姿を消している。



2100形

車番:デハ2101
撮影地:新大津
撮影日:2015.2.15
記事作成:2025.7.6


1998年登場と決して新しい車両ではないが、快特用のちょっと豪華な内装を持つ花形車両。2ドアに転換クロスシートという、関西私鉄を彷彿とさせる存在で、座れたら快適な旅が楽しめる(立ちスペースがとても狭いので、座れなかったら地獄)。着席整理券が発売されている列車の大半はこの2100形が担当。かつては「歌う電車」としても有名だった。



デト11形

車番:デト11
撮影地:金沢八景~追浜
撮影日:2021.2.22
記事作成:2025.7.6


今時珍しくなった電動貨車。京急には3本が在籍し、2本は事故発生時用の救援車だが、1本は週2回、部品等を積んで神奈川新町と久里浜工場の間を往復する。ベースは旧1000形で、1960年頃に製造された相当古い車両。他社ではトラック輸送に切り替わったが、京急では大型車が入れない場所に車庫の入口が設けられている例もあり、ちょっと頭痛の種?



←トップナンバーの記録に戻る