ガラクタのカタログ

トップナンバー特集2 国鉄・JR近郊形電車

近郊形車両は、比較的駅間距離が長い路線の地域輸送を担う存在で、電化区間ではかつて中距離電車という呼び名もよく用いられた。伝統的な近郊形車両は座席がクロスシーとないしセミクロスシートで、ドアは1車両あたり2つ又は3つ。しかし、国鉄民営化後のJR東日本では、4ドアロングシートで通勤形車両に酷似したものが幅を利かせている。通勤形と近郊形を統合して一般形とも呼ばれているが、近郊形の方はトイレが付いていることが多い。


113系

車番:クハ112-1
撮影地:端岡~鬼無
撮影日:2017.5.17
記事作成:2024.7.6


トップナンバーとは言っても、正統な113系とは全く違うJR四国の改造車。2019年に引退したが、原型とだいぶ異なる外観のためか、最後まであまり人気のある車両ではなかったという印象。元はクハ111-532で、1990年代まで東海道線東京口で活躍していた車両だから、もしかしたら私は幼少期に何度か乗ったかもしれない。



121系

車番:クハ120-1
撮影地:鬼無~端岡
撮影日:2017.5.18
記事作成:2024.7.6


国鉄が最後に投入した電車形式で、その前面デザインは207系900番台に近い。19本中2本がワンマン運転化改造の際に登場当時の赤帯になったものの、他編成に波及する前に7200系への大改造が実施された。今や国鉄車両というだけでファンが集まる時代になったが、この頃はまだのんびりしたものだった。



123系

車番:クモハ123-1
撮影地:信濃川島~辰野
撮影日:2013.1.3
記事作成:2024.7.6


ご存知、荷物車から改造された単行の電車。この車両は元クモニ143-1で、JR東日本管内では唯一の存在。この会社は金に物を言わせてすぐに新車に置き換える印象だが、123系は意外にしぶとく残った。アクセスの悪さに本数の少なさも相まってか、塩尻駅のホームを除けば、引退直前でも撮影者の姿は少なかったと記憶している。



211系

車番:クハ210-1
撮影地:新子安
撮影日:2011.10.21
記事作成:2024.7.6


国鉄車両が希少になった今から見れば、二階建てグリーン車込みの15両編成には風格を感じられるかもしれないが、当時の211系は一般的に撮影対象と見做されていなかったように思う。東海道線東京口からは2012年に撤退も、一部は長野に転属して現在も中央線などで活躍しているが、当時噂にあった新潟への転用は実現しなかった。



車番:クモハ211-1
撮影地:名古屋
撮影日:2021.11.17
記事作成:2024.7.6


JR東海管内でもかなりの存在感があった211系だが、大半は民営化後の投入で、国鉄時代に製造されたのは4両編成2本のみ。2010年代半ば以降は関西本線のみの運行で、2022年3月にいずれも引退。当地の211系は登場当初青帯を巻いていたそうだが、民営化後すぐに湘南色化。残念ながら一度も塗り直されることなく終わってしまった。



215系

車番:クモハ215-101
撮影地:藤沢~大船
撮影日:2015.5.13
記事作成:2024.7.6


反対側はクモハ215-1。全車二階建てという特徴を有したが、運用面では終始たらい回しが続いた悲運の車両。専ら回送列車のイメージで、営業運転は「湘南ライナー」と「ホリデー快速ビューやまなし」くらいか。私は2000年頃に「快速アクティー」に乗り、あまりの居住性と換気の悪さに耐えかねて、途中で降りてしまった記憶がある。



E217系

車番:クハE217-1
撮影地:北鎌倉
撮影日:2011.5.18
記事作成:2024.7.6


209系と共に、JR東日本の大量生産の先陣を切った形式であるが、E217系も意外に編成によって個体差がある。前面貫通路の形状だけと侮るなかれ、最初期に製造されたものはクロスシーと部分の手すりが60-70度ほどの斜めになっていた。試作車らしい珍形態ではあったが、握りづらいことこの上なく、後の編成は垂直になった。



311系

車番:クハ310-1
撮影地:名古屋
撮影日:2015.5.19
記事作成:2024.7.6


JR東海初の新型電車で、211系に似た外観や車内のデザインは平成初期の面影を色濃く残す。313系登場後は専ら普通列車用となったが、同期の221系とは違って、意外に速達列車の運用が末期まで残った感がある。デビュー当時は新時代の到来を予感させたが、今見ると少し時代を感じてしまうのは、私がもう若くないということか。



713系

車番:クハ712-1
撮影地:宮崎~南宮崎
撮影日:2022.5.18
記事作成:2024.7.6


国鉄時代に4本しか製造されなかった珍車両とはいえ、見慣れた顔つきと毳毳しい塗装故になかなか食指が動かない。この頃までは、定番の大淀川で暫く待っていれば割と簡単に姿を見ることが出来たが、この年の秋に運用が一気に激減。登場当時に纏っていたクリームに緑帯のリバイバル塗装は、どうも叶いそうもない。



811系

車番:クモハ810-1
撮影地:博多
撮影日:2022.5.17
記事作成:2024.7.6


811系も平成初期の面影を色濃く残し、今や古さを感じるほど。リニューアル時は、水戸岡鋭治の悪評とは打って変わって比較的落ち着きのあるデザインに。工事は当初の計画よりも遅れているが、現存する全編成は2028年までに施工されるとのことで、このトップナンバー編成も近々青を基調とした装いに生まれ変わることとなろう。



6000系

車番:6001
撮影地:鬼無~端岡
撮影日:2017.5.17
記事作成:2024.7.6


211系フェイスと言えば、213系と719系が思い起こされるが、ここ四国にも6000系がいる。3両編成2本だけの少数派で、運用範囲はかなり広いものの、時刻は固定なので調べれば簡単に出会える存在。細かい点で見所の多い形式であり、客用扉の形状が前後で異なり、車端部のドアだけ片開きというアンバランスな外観も面白い。



←トップナンバーの記録に戻る