ガラクタのカタログ

トップナンバー特集5 国鉄・JR気動車

電化率が比較的高い日本では、気動車はローカル線の車両という印象が強いが、長距離特急用の車両の中には大都市に乗り入れるものもある。日本の気動車は液体式が主流で、ヨーロッパでよく見る電気式ディーゼルカーは多くない。長期的には世界的な脱炭素の動きが今後加速することで、燃料電池や蓄電池を使用した車両が本格的に開発され、気動車という分類が無くなる日が来るのかもしれない。


キハ11形

車番:キハ11-1
撮影地:下庄~一身田
撮影日:2015.2.10
記事作成:2025.1.26


紀勢本線のキハ40系を撮影しに初めて紀勢本線を訪れた時の1枚。重苦しい色の空に、一瞬だけ日が差して白い車体が明るく照らされた。ローカル線の普通列車用で、かなり長期間使用されそうなものだが、さすがは資金が潤沢なJR東海、このグループは製造後30年足らずで全廃。登場時から引退時まで、終始注目度の低い車両だったように思う。



キハ66系

車番:キハ67-1
撮影地:長崎
撮影日:2015.3.9
記事作成:2025.1.26


キハ47形に似るが、こちらの方がちょっと先輩。当初は筑豊地区を中心に運用され、21世紀に入ると長崎に転じた。キハ40系よりも乗り心地と座席が良かった。JR九州はかなり長い間大事に使い、初めての廃車が出たのは製造から40年以上経った2015年のこと。2021年の全廃時には、福山雅治がこの車両を保存するという報道があったが、その後音沙汰無し。



キハ187系

車番:キハ187-1
撮影地:直江~出雲市
撮影日:2023.10.31
記事作成:2025.1.26


岡山駅でも目にするが、主な生息地は山陰本線。近代化が遅れていたこの地域において、大幅なスピードアップを達成した俊足特急。短編成故か、線路脇で見ると実際よりも更に速く感じる。但し前面デザインは全国の特急車両の中でも有数のダサさ。あまりの空気抵抗の大きさに、一部のトンネルでは減速運転を余儀なくされるという間抜けぶり。



キハ189系

車番:キハ189-1
撮影地:大阪
撮影日:2015.11.20
記事作成:2025.1.26


外観は先代の国鉄特急によく似た形状で、キハ187系よりは遥かに良いデザインをしている。主に播但線の特急「はまかぜ」として活躍中だが、これは「びわこエクスプレス」に充当された時の姿。ちなみに、一日3往復ある「はまかぜ」のうち日中の1往復は鳥取発着だが、香住以西の需要はほとんどないと思われ、個人的には何故これが残っているのか少し疑問。



キハ201系

車番:キハ201-101
撮影地:桑園
撮影日:2011.11.5
記事作成:2025.1.26


731系電車と併結運転が出来る、大変パワフルな通勤形気動車。加速性能や最高速度が高いだけでなく、車体傾斜装置まで付いた贅沢仕様だが、高コスト故に少数派に留まった。写真は電化前の札沼線を走る姿だが、現在は函館本線のみの運用で、北海道新幹線開業より前に引退しそう。ちなみに、キハ201系は全車が100・200・300番台となっている。



2000系 TSE

車番:2001
撮影地:松山
撮影日:2018.3.7
記事作成:2025.1.26


JR四国が社運を賭けて開発した振り子式気動車。この編成はTSEの愛称を持つ試作車で、量産車と外観が大きく異なる。同系は瀬戸大橋線を経由して岡山と高知・徳島・松山を結ぶ特急で大車輪の活躍を見せたが、近年は高速道路に押され情勢は苦しい。TSEは年々運用範囲が西に追いやられ、末期は愛媛県内の特急「宇和海」に使用されていた。



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